保育園の窓の断熱に補助金は使える?対象と上限1000万円の条件
保育園の窓が古いままだと、夏は保育室が暑くなり、冬は窓際が冷えます。園の光熱費と、子どもたちが過ごす環境の両方に関わる問題です。
2026年度から、国の窓の断熱リフォーム補助金に非住宅建築物の枠が加わり、保育所も対象用途に挙げられています。この記事では、何が対象で、いくらまでで、どの順番で進むのかを整理します。
作成者 富田 武(エコマドラボ 代表取締役/wills株式会社) プロフィール
作成日 2026年8月23日 最終更新日 2026年8月23日 本記事は2026年8月時点の情報です 読了時間 約8分
保育園の窓の断熱に、補助金は使えますか?
要件を満たせば使える場合があります。国の先進的窓リノベ2026事業は、2026年度から非住宅建築物を補助の対象に加えました。対象用途には保育所(保育園)が挙げられています。
保育所(保育園)は、公式の用途一覧で第1種低層住居専用地域・第2種低層住居専用地域だけでなく、その他の地域でも対象とされています。そのため、商業地域などに立地していることだけを理由に対象外になるものではありません。ただし、建築基準法上の用途、建物の所有関係、築年数、対象製品などの要件を満たす必要があります。
なお、店舗や兼用住宅の店舗部分は、第1種・第2種低層住居専用地域では対象用途に含まれず、その他の地域で対象になります。保育園と店舗では立地による扱いが異なるため、同じ条件として説明することはできません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 先進的窓リノベ2026事業(環境省) |
| 対象 | 要件を満たす既存の非住宅建築物。保育所(保育園)を含む |
| 補助上限 | 延床面積240㎡以下は1棟あたり100万円 240㎡を超える場合は1棟あたり1,000万円 |
| 最低補助額 | 1申請あたりの合計補助額が5万円以上 |
| 交付申請の予約 | 申請受付開始から、遅くとも2026年11月16日まで (予算上限に達した場合は当該時点まで) |
| 交付申請 | 申請受付開始から、遅くとも2026年12月31日まで (予算上限に達した場合は当該時点まで) |
| 申請方法 | 登録された窓リノベ事業者が申請する(工事発注者は自ら申請できません) |
補助金は予算の範囲で受け付けられる制度です。申請すれば必ず受け取れるものではなく、本記事は受給を保証するものではありません。予算上限に達した場合は、上に書いた期限より前でも受付が終了します。また上限1,000万円は工事費の全額が補助されるという意味ではありません。補助額は対象製品ごとに決められた定額を積み上げて計算し、その合計に対して1棟あたりの上限が適用されます。制度の要件と対象製品は年度ごとに変わるため、着工前に先進的窓リノベ2026事業の公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。
出典:先進的窓リノベ2026事業 公式「非住宅建築物の対象要件」(overview-2)および「申請手続きの詳細」(application-2)。2026年8月25日確認。非住宅向けの制度は非住宅向け窓断熱の補助金の解説でもまとめています。
建物の所有・築年数・契約の時期にも条件があります
非住宅の購入・工事タイプには、原則として次の条件があります。園舎が対象用途であっても、これらを満たさなければ申請できません。
01工事の発注者が、対象建物の所有者であること
02工事請負契約日の時点で、建築から1年以上が経過した既存建物であること
03工事に着手する前に、窓リノベ事業者と工事請負契約を締結すること
042025年11月28日以降に工事へ着手していること
園舎を借りて運営している場合、運営法人だけで当然に申請できるとは限りません。賃借の場合は、建物所有者の関与と同意が前提になります。不動産登記事項証明書など所有関係を示す書類も必要です。
出典:先進的窓リノベ2026事業 公式「非住宅建築物の対象要件」(overview-2・2026年8月25日確認)。
上限は「240㎡を超えるかどうか」で大きく変わる
非住宅の補助上限は、延床面積で二段階に分かれます。240㎡以下は1棟あたり100万円、240㎡を超える建物は1棟あたり1,000万円です。まず面積の区分から確認します。
この240㎡は、建物全体の延床面積をそのまま当てはめるものではありません。原則として判定に用いるのは、補助対象になる用途部分のうち、共同事業者が所有する部分の合計面積です。複数用途の建物や区分所有では扱いが変わるため、個別の確認が必要です。
例外もあります。2025年11月28日以降に住宅から非住宅または兼用住宅へ用途変更を行った場合は、延床面積が240㎡を超えていても、1棟あたりの上限は100万円になります。
出典:先進的窓リノベ2026事業 公式「非住宅建築物の対象要件」(overview-2・2026年8月25日確認)。面積の算定は建物ごとに判断が分かれるため、事務局への確認をおすすめします。
園のどこから断熱すると効果を感じやすいですか?
日射が強く当たる面と、子どもが長い時間を過ごす保育室からです。窓の面積が大きい部屋ほど、窓を通じた熱の出入りが室温に関わります。
窓からの熱の出入りについては、断熱性能の低い窓を持つ住宅のモデル試算で、夏に室内へ入る熱のうち窓などの開口部からが約73%という数字が示されています。ただしこれは住宅を対象にした試算です。園舎は窓の配置も使い方も住宅とは異なるため、この割合をそのまま保育園に当てはめることはできません。
出典:日本サッシ協会 快適な住まい情報室 REPORT #01(2025年7月)の住宅モデル試算。建物の条件によって数値は変わります。
内窓は、外窓交換より工事の負担を抑えやすい
内窓は既存の窓の内側にもう一枚の窓を設置する方法です。壁を大きく壊さずに施工できるため、外窓交換に比べて工事の負担を抑えやすい方法です。
ただし、施工時間や音、粉じんの程度は、窓の大きさ、設置数、下地、搬入条件、園児の安全確保の方法によって変わります。施工日数は現地調査後に確認します。保育を止めずに工事できるとお約束はできませんが、休園日や保育時間外、部屋ごとの施工などをご相談いただけます。
補助金の手続きは、どの順番で進みますか?
とくに間違えやすいのが、交付申請のタイミングです。交付申請は工事の完了・引渡し後に行います。工事の前ではありません。交付申請の予約という手続きもありますが、これは任意で、行える時期は対象製品が決まり、最初の工事に着手した以降です。
| 手続き | 時期・期限 | 必須かどうか |
|---|---|---|
| 工事請負契約 | 工事に着手する前 | 必須 |
| 工事前写真の撮影 | 対象箇所の工事前 | 必須(提出免除なし) |
| 交付申請の予約 | 対象製品が決まり、契約工事全体のうち最初の工事に着手した以降。遅くとも2026年11月16日まで | 任意 |
| 予約の有効期間 | 提出日によらず2026年12月31日まで | — |
| 交付申請 | 対象工事の完了・引渡し後。遅くとも2026年12月31日まで | 必須 |
いずれの手続きも、予算上限に達した場合は上の期限より前に受付が終了します。なお非住宅の交付申請の予約の有効期間は、提出日によらず2026年12月31日までです。
出典:先進的窓リノベ2026事業 公式「申請手続きの詳細」(application-2・2026年8月25日確認)。着工前に必須なのは工事前写真の撮影であり、交付申請の予約ではありません。
園にご用意いただくもの
当社が行うのは、施工前後の写真の撮影と整理、性能証明書の確認、申請書類の作成、事務局への提出、審査への対応です。園と建物所有者にお願いするのは、共同事業実施規約への署名と、不動産登記事項証明書など所有関係を示す書類のご提出です。賃借の場合は建物所有者のご協力が前提になります。
01お問い合わせ(電話・フォーム・LINEのいずれか)
02現地調査(窓のサイズ・枠の奥行き・周辺の状況を確認)
03お見積り(窓ごとの製品名、税込の合計、補助額、実質のご負担額を記載)
04ご契約(工事着手前に締結。工事範囲・日程・申請スケジュールを確認)
05工事(工事前の写真を撮影してから着手)
06工事の完了・引渡し後に、当社が交付申請
出典:エコマドラボの施工の流れ(施工の流れのページ・2026年8月時点)。
あなたの園はどこから手を付けるとよいか
当てはまるものにチェックを入れてください。これは補助の対象かどうかを判定する診断ではなく、ご相談のときに状況を整理するためのものです。
当てはまる数を数えて、下の早見表をご覧ください。
当てはまった数でみる読み取り方
| 当てはまる数 | 読み取り方 |
|---|---|
| 1〜2個 | 日射が強く当たる面や、暑さ・寒さが気になる保育室から確認します。 |
| 3〜4個 | 使用時間の長い保育室を優先し、複数の窓をまとめて検討します。 |
| 5〜6個 | 園全体の窓の配置、補助の上限、工期を含めた改修計画を作成します。 |
対象になるかどうかは、建物の用途・所有関係・築年数・対象製品などの要件で決まります。
費用はどのくらい見ておけばよいですか?
窓の大きさ・枚数・選ぶガラスの性能で変わるため、一律の金額はお伝えできません。当社では現地調査とお見積りを無料で行い、窓ごとの製品名と税込の合計、補助額、補助金を差し引いた実質のご負担額まで書いた見積書をお出ししています。
補助の対象になる製品には性能の条件があります。先進的窓リノベ2026事業で内窓の対象になる性能区分はP(SS)等級(Uw1.1以下)とS等級(Uw1.5以下)の2つで、A等級の内窓はこの2区分に含まれていません。補助額は建物の種類、窓の性能区分、窓のサイズによって決まります。
製品名だけで対象かどうかは判断できず、登録された対象製品の型番と、メーカーが発行する性能証明書で確認します。当社では、対象製品として登録された型番や性能を確認したうえでご提案します。ただし、最終的な交付は事務局の審査によって決まります。
出典:先進的窓リノベ2026事業 公式「内窓の設置」(construction/inner-window.html・2026年8月25日確認)。製品はLIXIL(インプラス)、YKK AP(プラマードU)などを扱っています(エコマドラボの専門知識と実績)。
どの窓から替えると、費用対効果が高いですか?
日射が強く当たる面と、長い時間を過ごす部屋の窓からです。窓の枚数が多い園ほど全部を一度に替えたくなりますが、補助の上限と園の予算の範囲で順番を決めるほうが現実的です。
判断の材料は3つあります。方位(西と南は午後の日射が室温を押し上げます)、窓の面積(大きい窓ほど熱の出入りも大きくなります)、そして使用時間です。長く過ごす保育室と短時間しか使わない倉庫では、同じ窓でも直したときの体感が変わります。
現地調査では、窓のサイズ、窓枠の奥行き(内窓を設置できるかの判断に必要です)、カーテンレールや家具との干渉、建物全体の窓の数と配置を確認します。なお制度は年度ごとに内容が変わるため、翌年度に同じ条件で使えるとは限らない前提で計画します。
都や県の補助金も、園舎で併用できますか?
住宅向けの窓断熱の助成は、非住宅の園舎には原則として使えません。一方で、自治体によっては事業所・学校法人・社会福祉法人などを対象とする省エネ・ZEB化の支援があり、窓の断熱改修が対象経費に含まれる場合があります。国の制度を軸にしつつ、所在地の自治体の制度も個別に確認します。
埼玉県の窓断熱リフォーム支援事業は住宅向けで、2026年度分は受付を終了しています
埼玉県窓断熱リフォーム支援事業は、埼玉県内の住宅の窓断熱改修を対象とした制度です。非住宅の園舎は対象になりません。また2026年度分は、令和8年7月29日をもって申請受付を終了しています(同日時点で予算執行率100%)。
出典:埼玉県 窓断熱リフォーム支援事業(埼玉県公式ページ・2026年8月25日確認)。住宅向けの制度は埼玉県の補助金の解説にまとめています。
東京都には、社会福祉法人等も対象になり得るZEB化の支援があります
東京都の「ZEB化・廃熱利用設備導入促進事業」は、中小企業・学校法人・医療法人・社会福祉法人等を助成対象者としており、対象設備には断熱材や断熱・遮熱窓などが含まれます。ただし窓だけを交換すれば利用できる制度ではありません。BELSでZEB水準以上の評価を受けることなど、別の要件があります。受付期間は令和8年4月15日から令和9年3月31日まで(17時必着)です。
出典:東京都地球温暖化防止活動推進センター ZEB化・廃熱利用設備導入促進事業(クール・ネット東京 公式ページ・2026年8月25日確認)。住宅向けの制度はクール・ネット東京の解説にまとめています。
国の制度と自治体の制度の併用
地方公共団体の制度は、国費が充当されているものを除き、国の補助金と併用できる場合があります。ただし併用の可否は自治体側の規定にもよるため、各制度の要件を確認します。当社は東京都・埼玉県の両方で申請の代行を行っています。
窓の断熱は、園の環境にどう関わりますか?
保育室の室温の偏りを小さくする方向に働き、過ごしやすさの改善につながる可能性があります。ただし、窓の断熱によって健康状態が改善すると説明できるものではなく、効果を保証できるものでもありません。
保育の現場で分かりやすいのは、暑さと寒さの偏りです。窓際だけが暑い、冬の朝は窓のそばに近づけない——といった偏りは、子どもが過ごせる場所を狭めます。窓の断熱は、この偏りをならす方向に働きます。
結露と手入れの手間も変わります
冬の朝に窓が結露すると拭き取りの手間が生まれ、窓枠に水が残る状態が続けばカビの発生にもつながります。内窓を設置すると既存の窓との間に空気の層ができ、室内側のガラスが冷えにくくなるため、結露の抑制が期待できます。ただし結露は室内の湿度、換気の状況、既存の窓の状態にも左右されるため、内窓を設置しても残る場合があります。
保育園の窓も補助金の対象になりますか?
先進的窓リノベ2026事業では、2026年度から非住宅建築物が対象に加わりました。公式の用途一覧で、保育所(保育園)は第1種・第2種低層住居専用地域だけでなくその他の地域でも対象とされています。ただし建築基準法上の用途、所有関係、築年数、対象製品などの要件を満たす必要があります。
補助額の上限はいくらですか?
延床面積240㎡以下は1棟あたり100万円、240㎡を超える建物は1棟あたり1,000万円が上限です。1申請あたりの合計補助額は5万円以上が対象です。上限額であって、工事費の全額が補助されるという意味ではありません。
園舎を借りて運営していますが、申請できますか?
工事の発注者が対象建物の所有者であることが原則の要件です。賃借の場合は運営法人だけで手続きを進められるとは限らないため、建物所有者を含めた確認が必要になります。不動産登記事項証明書など、所有関係を示す書類の提出も求められます。
保育を止めずに工事できますか?
内窓は壁を大きく壊さずに施工できるため、外窓交換に比べて工事の負担を抑えやすい方法です。ただし施工時間や音、粉じんの程度は窓の大きさ・設置数・搬入条件などで変わります。休園日や保育時間外の施工などをご相談いただけます。
工事の前に必要なことはありますか?
工事前の写真撮影が必須です。2026年事業では「工事前写真・提出免除依頼書」の使用ができず、撮り忘れた場合は補助金の交付を受けることができません。撮影は当社が行います。
園の窓が対象になるか、まず確認しませんか
延床面積と建物の用途、所有関係、窓の仕様が分かれば、対象になるかどうかの見当がつきます。現地調査とお見積りは無料です。補助金の申請手続きも当社が代行します。
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