店舗兼住宅の窓の補助金は住宅と非住宅どちらの枠で申請する?
1階が店舗、2階が住まい。こうした店舗兼住宅の窓を断熱したいとき、「うちは住宅なのか、それとも店舗なのか」で手が止まります。
補助金の制度は、住宅と非住宅で枠が分かれています。2026年度からは非住宅建築物にも枠ができ、その対象用途に店舗兼住宅の店舗部が挙げられました。この記事では、店舗兼住宅の窓を断熱するときにどちらの枠で考えるのか、費用と段取りはどうなるのかを整理します。
作成者 富田 武(エコマドラボ 代表取締役/wills株式会社) プロフィール
作成日 2026年8月22日 最終更新日 2026年8月22日 本記事は2026年8月時点の情報です 読了時間 約8分
店舗兼住宅の窓は、どちらの枠で申請しますか?
建物の使い方によって変わります。住宅部分は住宅として、店舗部分は非住宅建築物の枠として扱われる考え方が、2026年事業では示されています。
非住宅建築物の対象は、建築基準法で第一種・第二種低層住居専用地域に建設できる用途に限られます。幼稚園・保育所・診療所・老人ホーム、そして店舗兼住宅の店舗部が該当します。逆にいえば、商業地域のビルに入っているテナントのような形態では対象外になる場合があります。まず建物の所在地と用途地域を確認するのが出発点です。
| 項目 | 内容 | 確認先 |
|---|---|---|
| 制度名 | 先進的窓リノベ2026事業(環境省) | 公式サイト |
| 補助上限 | 住宅1戸あたり100万円 | 同上 |
| 対象の下限 | 1申請あたり合計補助額5万円以上 | 同上 |
| 申請期間 | 2026年3月31日〜2026年12月31日 | 同上 |
| 申請方法 | 登録された窓リノベ事業者を通じて申請 | 同上 |
補助金は予算の範囲で受け付けられる制度です。申請すれば必ず受け取れるものではなく、本記事は受給を保証するものではありません。制度名・上限額・申請期間・対象工事はいずれも2026年8月時点で公式サイトに掲載されている内容です。交付申請の手続きは工事の完了・引渡し後で、交付申請の予約は任意です。要件と対象製品は年度ごとに変わるため、着工前に先進的窓リノベ2026事業の公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。
出典:先進的窓リノベ2026事業 公式サイト(2026年8月21日確認)。非住宅枠の考え方は非住宅向け窓断熱の補助金の解説にまとめています。
上限は住宅と非住宅で考え方が違う
住宅は1戸あたり100万円が上限です。非住宅は延べ面積240㎡以下なら1棟あたり100万円、240㎡を超えると1棟あたり1,000万円まで上限が上がります。店舗兼住宅の場合、建物の規模と、どの部分の窓を工事するかで使える上限が変わってきます。
店舗の窓と住まいの窓では、困り方が違いますか?
違います。店舗は日中の日射と外気の出入り、住まいは朝晩の冷え込みと結露が中心です。同じ建物でも、優先したい窓が変わります。
店舗側でよく挙がるのは、窓際の席が暑い、入口の近くだけ空調が効かない、西日で商品が焼ける、といった内容です。営業時間中はお客様が滞在するため、室温の偏りがそのまま印象につながります。
住まい側は、朝の冷え込みと窓の結露が中心になります。冬の朝に窓ガラスが結露し、拭き取りが習慣になっている。窓際に置いた家具の裏がカビる。こうした症状は、窓ガラスが冷えることで起きています。
費用はどのくらいかかりますか?
窓の大きさと枚数で決まります。当社が公開している目安では、内窓1か所あたりの費用は小サイズで88,000円(税込)からです。
| 窓のサイズ | 費用の目安(製品+工事費) | 補助金の目安(国+都) | 実質負担の目安 |
|---|---|---|---|
| 小(1.6㎡未満)1か所 | 88,000円(税込) | 22,000円+28,000円 | 38,000円(税込) |
| 中(1.6〜2.8㎡)1か所 | 122,000円(税込) | 34,000円+44,000円 | 44,000円(税込) |
| 大(2.8㎡以上)1か所 | 172,000円(税込) | 52,000円+65,000円 | 55,000円(税込) |
金額はいずれも当社サイトに掲載している目安で、Sグレード(Low-E複層ガラス・ガス入り)を東京都でクール・ネット東京と先進的窓リノベ2026事業を併用した場合の概算です(2026年8月時点)。実際の費用は窓の大きさ・枚数・性能・お住まいの状況によって変わります。正確な金額は現地調査のうえでお見積りします。
出典:料金の目安は料金目安のページに掲載しています(2026年8月時点)。上表は東京都でクール・ネット東京と先進的窓リノベ2026事業を併用した場合の概算です。
補助を差し引いた「実質の負担」で考える
窓のリフォームで大切なのは、工事の総額ではなく、補助金を差し引いたあとの実質の負担がいくらになるかです。当社の見積書には、窓ごとの製品名、製品代と工事費の合計(税込)、使える補助金と補助額、補助金を差し引いた実質のご負担額を記載しています。
店舗兼住宅の場合、住宅部分と店舗部分で申請の枠が変わる可能性があるため、見積書でも区分を分けて記載します。どちらの枠で申請するかによって上限が変わるため、工事の範囲を決める前に整理しておくと、あとから計画を組み直さずに済みます。
店舗兼住宅の窓、どこから考えるか
当てはまるものにチェックを入れてください。
当てはまる数を数えて、下の早見表をご覧ください。
当てはまった数でみる読み取り方
| 当てはまる数 | 読み取り方 |
|---|---|
| まず区分の確認から | 住宅と非住宅のどちらで申請するかで、上限と条件が変わります。 |
| 困っている側から | 症状が出ている側の窓から進めると、変化を実感しやすくなります。 |
| 建物全体で計画を | 対象条件を満たす可能性が高い状態です。上限額から工事範囲を決められます。 |
申請はいつ行いますか?
交付申請は工事の完了・引渡し後です。工事の前ではありません。着工前に必ず必要なのは、工事前の写真撮影です。
| 手続き | 時期 | 必須かどうか |
|---|---|---|
| 工事前の写真撮影 | 工事に着手する前 | 必須(提出免除なし) |
| 交付申請の予約 | 対象製品が決まり、最初の工事に着手した以降 | 任意 |
| 交付申請 | 工事の完了・引渡し後 | 必須 |
| 予約の有効期間 | 提出から3か月または2026年12月31日の早い日まで | — |
出典:先進的窓リノベ2026事業 公式「申請手続きの詳細」(2026年8月21日確認)。
「交付申請の予約」という手続きもありますが、これは任意です。行える時期は、対象製品の型番が決まり、契約工事全体のうち最初の工事に着手した以降とされています。着工前に予約を済ませておかないと対象外になる、というものではありません。一方、工事前の写真は提出免除の制度がなく、撮り忘れると補助金の交付を受けられません。
申請の手続きは当社が代行します
国の制度も、埼玉県の制度も、申請は登録された事業者や県内の施工業者がお客様に代わって手続きを行う仕組みです。東京都の制度はお客様が申請する仕組みですが、手続き代行者が申請することができます。当社は東京都の代行申請もお受けしています。
01お問い合わせ(電話・フォーム・LINEのいずれか/約5分)
02現地調査(約30〜120分・窓の数によります)
03お見積り+補助金の計算(無料)
04ご契約(工事範囲・日程・申請スケジュールを確認)
05工事(工事前の写真を撮影してから着手)
06完了・引渡しののち、当社が交付申請
07補助金の受け取り(工事代金からの差引き、または現金でのお渡し)
出典:施工の流れは施工の流れのページに掲載しています(2026年8月時点)。
工事のあいだ、営業はどうなりますか?
内窓なら区切って進められます。1か所あたり約1時間が目安で、壁を壊さないため粉じんや大きな音が出にくい工事です。
内窓の設置は1か所あたり約1時間が目安です。朝から始めて昼過ぎに終わることが多く、壁を壊さないため住みながら施工できます。カバー工法(外窓の交換)の場合は1〜2日が目安です。
店舗兼住宅では、営業時間と住まいの生活時間が同じ建物の中で重なります。そのため、閉店後にまとめて行う、定休日に区切って行う、住まい側を先に済ませてから店舗側に移る、といった進め方の相談ができます。窓の数が多い場合は、日を分けて工事することもあります。
工事当日は、窓まわりの家具やディスプレイを一時的に動かす必要があります。カーテンレールや棚が窓枠と干渉しないかは、現地調査の段階で確認しています。搬入の経路と製品の仮置き場所も、営業の動線と重ならないように決めておきます。
カバー工法を選ぶ場合は日数が変わる
既存の窓そのものを交換するカバー工法では、1〜2日が目安になります。内窓より工期が長くなるぶん、窓の性能そのものを更新できます。店舗の顔になる大きな開口部を替えるときや、既存のサッシの傷みが進んでいるときに検討します。どちらの工法が向いているかは、既存の窓の状態と、優先したいこと(費用か、性能か、工期か)で変わります。
都や県の制度も使えますか?
住宅部分については使える場合があります。ただし、いずれも住宅を対象とした制度であるため、店舗部分がそのまま対象になるとは限りません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 埼玉県 窓断熱リフォーム支援事業 |
| 補助額 | 国の補助額の1/2(50%)以内 |
| 合計の上限 | 国+県の合計が工事費の90%以内(千円未満切捨て) |
| 対象 | 埼玉県内の住宅/県内事業者による施工 |
| 対象工事の契約日 | 令和8年3月2日以降 |
| 受付期間 | 令和8年5月18日〜令和9年2月28日(先着順・県予算1億5,000万円) |
埼玉県の制度は、国の補助を受けている埼玉県内の住宅が対象で、県内事業者による施工が条件です。補助額は国の補助額の1/2以内で、国と県の合計が工事費の90%を超える場合は調整されます。受付期間は令和8年5月18日から令和9年2月28日までで、先着順です。
東京都のクール・ネット東京は、都内の既存住宅が対象で、着工前の申請が必要という点が国の制度と大きく違います。工事の前に都へ申請しなければ受け取れないため、スケジュールの管理が重要になります。当社ではこの管理も含めて代行しています。
出典:制度の詳細は埼玉県の補助金の解説とクール・ネット東京の解説にまとめています(2026年8月時点)。要件は年度ごとに変わるため、着工前に各制度の公式で最新の公募要領をご確認ください。
店舗の窓を替えると、光熱費はどうなりますか?
冷暖房の効き方が変わる分、負担は軽くなる方向に働きます。ただし削減額は建物と使い方によって大きく変わるため、一律の数字をお約束することはできません。
考え方としては、窓からの熱の出入りが減れば、空調が設定温度を保つために必要な力が小さくなります。夏に室内へ入る熱のうち、窓などの開口部から入る割合はおよそ7割にのぼるという試算もあり、窓は熱の通り道として大きい部分です。
出典:アルミサッシ+単板ガラスなど断熱性能の低い窓を持つ住宅のモデル試算で、夏に室内へ入る熱のうち窓等からが約73%(出典:日本サッシ協会 快適な住まい情報室 REPORT #01 2025年7月)。モデル試算であり、店舗兼住宅の建物条件によって数値は変わります。
実際にどれくらい変わるかは、窓の面積、方位、営業時間、空調の設定、断熱以外の要素(換気や什器の配置)にも左右されます。当社では、光熱費の削減額を断定してご案内することはしていません。代わりに、どの窓から熱が出入りしているかを現地で確認し、費用と補助額を並べたうえで判断していただく形をとっています。
冷房費の変化を試算してみることもできます
住まい側については、条件を選ぶだけでひと夏の冷房費の目安を試算できるページを用意しています。窓の仕様が分からない場合でも試算できます。あくまで目安であり、実際の金額は建物と使い方によって変わります。
出典:冷房費シミュレーションで条件を選んで試算できます(2026年8月時点)。表示される金額は目安であり、実際の光熱費を保証するものではありません。
店舗兼住宅は、住宅と非住宅のどちらで申請しますか?
建物の使い方によって変わります。先進的窓リノベ2026事業では、住宅部分は住宅として、店舗部分は非住宅建築物の枠として扱われる考え方が示されています。実際の区分は建物ごとの確認が必要です。
店舗部分だけ工事しても補助金は使えますか?
使える場合があります。非住宅建築物の対象用途に店舗兼住宅の店舗部が挙げられています。ただし用途地域の条件があるため、建物の所在地から確認します。
住宅部分と店舗部分をまとめて工事したほうがよいですか?
一度にまとめると、現地調査から工事、申請までが1回で済みます。ただし住宅と非住宅で上限や区分が変わるため、見積りの段階でどちらの枠で申請するかを整理してから決めるほうが確実です。
営業を止めずに工事できますか?
内窓の設置は1か所あたり約1時間が目安で、壁を壊さない工事です。閉店後や定休日に区切って進める相談ができます。
都や県の補助金と併用できますか?
住宅部分については併用できる場合があります。埼玉県の窓断熱リフォーム支援事業は国の補助を受ける県内の住宅が対象で、東京都のクール・ネット東京は都内の既存住宅が対象です。店舗部分の扱いは制度ごとに異なるため、個別に確認します。
店舗兼住宅の窓、どちらの枠になるか確認しませんか
建物の用途地域と延べ面積、店舗と住まいの使い方が分かれば、どの制度が使えるかの見当がつきます。現地調査とお見積りは無料です。
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